歯の豆知識②
2021年10月8日
無意識に「歯ぎしり」していませんか?
「寝てるとき、歯ぎしりしていたよ」とご家族に言われたことはありませんか?
歯ぎしりぐらい・・・と思われがちですが、長い歯ぎしりが続くと歯を痛めるだけではなく、口腔全体に悪影響を及ぼすことがわかっています。疲れていると歯ぎしりをすることがあります。しかし、歯ぎしりが習慣になって繰り返している人の中には、毎晩のように、しかも長時間にわたって続く方がいらっしゃいます。しかも、とても強い力(人によって違いはありますが、ガムを噛むときの数倍~10倍程度)で、歯をこすり合わせていますので、歯が欠けたり、割れたりすることがあります。歯茎にも強い力が加わるため、歯周病を悪化させる原因にもなり、あごやその周辺の筋肉に障害を引き起こしたり、さらには睡眠時無呼吸症候群との関係も深いことがわかってきました。症状を悪化させないために、予防したり、必要に応じて治療することも大切になってきます。
歯ぎしりには次の3つの種類があります。
①歯のこすり合わせ(グラインディング):一般に歯ぎしりといわれるもので、強い力で上下の歯をこすり合わせる症状
②歯の噛みしめ(クレンチング):強い力で歯をくいしばる症状
③歯を鳴らす(タッピング):カチカチと細かく上下の歯をぶつける症状
ところで、このような歯ぎしりはなぜ起こるのでしょうか?実は歯ぎしりの明確な原因はまだわかっていませんが、大きくは2つの原因が考えられています。
①歯の嚙み合わせの悪さ:上下の歯の嚙み合わせが悪いと歯ぎしりを起こしやすくなります。歯の治療後などに嚙み合わせが変化することもあるので、歯科医に相談しましょう。
②ストレス過多:ストレスによって精神的な疲労が重なると、歯ぎしりが多くなる傾向があります。歯ぎしりが増えたときは、積極的に気分転換などをしてストレスを解消しましょう。
では、歯ぎしりを予防したり、症状を改善するにはどうすればいいのでしょうか?
まず噛み合わせの確認です。むし歯や歯周病がなければ「スプリント療法」に入っていきます。これは睡眠時にマウスピースのような器具をはめて、上下の歯が直接当たらないようにガードする方法です。保険が適用されるので、歯ぎしりがひどい場合には一度歯科医院で相談してみてください。また、必要に応じて矯正を行う必要が出てくる方もいらっしゃいます。